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経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

長谷川 稔

中国

魅惑の中国(2)

長谷川 稔さん

人文学部人文学科
留学期間:2015年9月~2016年1月
留学先:同済大学

留学先大学について

同済大学は上海市内にある総合大学で、特に建築学部は中国屈指のレベルで世界各国から優秀な学生が集まってきます。韓国や創設者の母国であるドイツからの学生が多いですが、それ以外では政治的つながりでロシア、北朝鮮、アフリカ諸国などやや共産圏の名残を感じます。大学の立地は非常によく、中心の繁華街まで地下鉄で10分かからず行けます。インフラなど含めて東京とあまり変わりません。学食はまあまあですが、近くにおいしい中華料理屋がいくつもあるので、多いときは週10で本場の小籠包を食べていました!

学習面について

同済大学は中国語学コースと、名門の建築学部などの学部生になるコースがありますが、私は人文学院に所属し、専門である比較文学と、好きだった中国史の授業を取りました。クラスメートは全員中国人で、課題の多さは外国人の私にとっては異常でしたが、先生と学友に恵まれ、めげずにやり遂げました。単純に中国語能力に不安があるからというのもありますが、特に中国史の授業などでは、今まで積み上げてきた知識が(当たり前ですが)かなり違ったのでとても苦労しました。僕も含めて中国語にかなり自信がある留学生でも中国人と一緒のクラスではかなり苦労しています。最初の一ヶ月は心身ともにかなり疲弊します。ルームメイトは建築学部に所属していましたが、彼は一昼夜課題に追われていたので、2人でよく深夜まで勉強していました。

生活について

同済に所属する学生はキャンパス内の寮に居住できます。寮費も安いですが、生活に必要なもの、食費など、ほぼすべての面で日本より安価で済みます。大気汚染の面ですが、上海はほぼ問題ないかと思います。上海は雨が多く、その都度、汚い空気は洗い流されるので、特に気になることはありませんでした。地下鉄も安いですが、タクシーも安く、長距離列車もかなり安いので、時間ができた休日はよく旅行に行きました!

留学で得たこと

留学で得たことは多岐にわたりますが、やはり自分以外中国人の世界で過ごしたことは非常に自信になりました。留学初頭は自分を積極的に売り込んで、自分が輪に入っていくのが楽しかったですし、「こんなに中国のことが好きな奴がいるのか!」と周りの日本人に対するイメージを変えていくのも良い経験でした。深くかかわっていく中で、日々の大学生活のみならず、中国の皆さんにお世話になったおかげもあり、私の留学生活が非常に濃密なものになりました。特に四川省に友人の親戚周りについていったときは、親戚の皆さん30人以上の方と四川の郷土料理・火鍋を囲み、客人のような接待を受けたことはよい思い出です。また成都周辺の中国が誇る歴史遺産を周遊したことはまた違った中国の文化を見聞できました。

後輩へのアドバイス、信州大学へのメッセージ等

上海は外国人でも住みやすく、初めて外国に行く人でも快適に過ごせるかと思います。反面、中国らしさは北京、西安など他の都市に比べると皆無に等しいので中国での留学先は都市単位でもよく考慮したほうがいいかと思います。同済大学の学部生になることはかなり覚悟してきて下さい。とりあえずHSK6級は必須、それでも授業への参加資格が得られる程度のレベルです。しかし現地の学生の中に自分一人で飛び込むという留学の“理想形”がここにはあると思います。

最後になりますが、今回の留学に際して、「信州知の森基金」様から奨学金を頂きました。おかげさまで勉学に集中できた留学生活となりました。寄付していただいた皆様方にこの場で感謝を申し上げます。留学費は多くの留学を志す学生にとって大きな懸案事項の一つでありますので、次に留学を志す後輩の為に、引き続きのご支援を願いたく存じます。